皆さん、「料理のさしすせそ」ってご存知ですか?
はい! 砂糖、塩、酢、しょうゆ(せうゆ)、味噌のことですね。さしすせその順番で調味料を入れていくと、具材に味が染み込みやすいと言われています。これはご存知の方も多いと思います。
でも、なぜこの順番なのかまで知っている人は、実は少ないのではないでしょうか?今回はこの理由についてまとめてみましたので、興味のある方はご覧ください。
砂糖と塩
最初の砂糖と塩ですが、これは分子の大きさが影響しています。砂糖の分子式はC12H22O11という、分子量で言うと342という大きな物質です。それに対して塩はNaCl(塩化ナトリウム)で分子量58.5になります。化学が苦手な方にはちょっと難しいかもしれませんが、分子量が小さい物質というのは、分子のサイズも小さく、物質(料理でいうところの具材)の中に入り込みやすくなります。
よって砂糖と塩だと、分子量の小さい塩の方が具材の中に入り込みやすい=味がしみ込みやすいということになります。つまり、砂糖の方が味がしみ込みにくいので、塩よりも先に入れて時間をかけた方が良い、ということになります。
また、塩には食材の水分を外に出す効果があります。なめくじにかけると水分が出てきてしぼんでくるアレです。それにより、食材を締める効果があるので、後に入れるようになっています。
酢、しょうゆ、味噌
この3つは、それぞれの香りや酸味によって、風味付けの役割で加えることの多い調味料です。
酢、しょうゆ、味噌には独特のにおいがあると思いますが、砂糖や塩には匂いって想像できますか?想像できませんよね?
砂糖や塩にはにおいはあまりないんです。それが、酢、しょうゆ、味噌を後に入れる理由です。つまり、酢、しょうゆ、味噌は揮発(蒸発)しやすい成分が含まれるため、比較的強いにおいを発しています。これらを最初に入れてしまうと、加熱等により風味を損なう恐れがあるんです。
そのため、砂糖、塩でしっかりと味付けをした後に、酢、しょうゆ、味噌で風味付けをするというのが、おいしい味付けの仕方ということになります。
酒やみりんはいつ入れるの?
他によく使用する調味料には、酒やみりんがあります。
酒はよく肉、魚などの臭み取りとして利用されることが多いです。ですので、最初に入れることが望ましいです。砂糖の「さ」と、酒の「さ」は同じと覚えておきましょう。
みりんについては、「本みりん」と「みりん風調味料」の2種類があります。
「本みりん」は酒の仲間なので、酒と同じく最初に入れるのが望ましいです。
対して「みりん風調味料」は、アルコール分より糖分の方が多い、別の調味料になるようです。こちらは照りや風味を出すために使用されることの多い調味料なので、最後に加えることが望ましいと言うことです。
料理のさしすせそは、砂糖、塩、酢、しょうゆ、味噌、ということは知っていても、なぜその順番なのか?ということまで知っている人は少なかったのではないでしょうか?
調味料を入れる順番と理由を正しく理解して、ぜひおいしい料理を作っていきましょう!