環境問題

光化学スモッグ注意報発令中!どんな危険があるの?

大気汚染にはPM2.5、酸性雨、光化学スモッグとたくさんの種類があります。近年、急激に言葉を耳にするようになった光化学スモッグについて、原因やその危険性についてご紹介したいと思います。

光化学スモッグ注意報が発令された場合、どう対処すればいいか気になりますよね?特に小さなお子さんがいる家庭では、外遊びはやめた方がいいのか、対応に困りませんか?

そんな光化学スモッグについてまとめましたのでご覧ください!

光化学スモッグとは

光化学スモッグとは、大気中に存在する有機化合物(ガソリンや塗料などが揮発したもの)と自動車や工場から発生した窒素酸化物が太陽光の下で反応して生成した光化学オキシダントにより発生する現象です。

オキシダントとは酸化性物質を指し、人体に悪影響を及ぼします。酸化性物質としてよく聞く言葉には活性酸素もあります。こちらは身体を酸化する=老化させるようなイメージがありますよね?厳密には違いますが、光化学オキシダントにも人体を酸化させダメージを与える特性があると覚えておいてください。

光化学スモッグの原因物質

単純に、自動車や工場の排ガスガソリン・塗料の蒸発したもの、太陽光の3つが揃うと発生すると覚えてもらえれば十分です。さらに言えば、この3つが揃うとオゾンという物質を生成されます。オゾンと言えば、はるか上空にオゾン層があり人体に有害な紫外線から守ってくれているイメージがありますよね?さらに最近ではオゾンによる殺菌も一般的に耳にするようになりました。そんな良いイメージのあるオゾンですが、殺菌効果があるということは、人体に浴び続けるとだんだんと細胞にダメージがあるということなんです。化学物質には良い面と悪い面の両方があると覚えておきましょう。

また、スモッグとはsmoke(スモーク、煙)とfog(フォグ、霧)を組み合わせた言葉で、もやが発生し見通しが悪くなる状態を言います。

光化学スモッグという言葉を聞くのは夏場が多いと思いませんか?それもそのはず、夏場は日照時間が長いため太陽光の影響が強く、さらに気温が高いためガソリンなどの蒸発しやすくなっています。そのため、光化学スモッグは発生しやすい条件が整っているのです。

さらに風の強さも影響してきます。風が強ければ排ガスや有機化合物は拡散していきます。風が弱いと局所的に滞留するため、光化学スモッグが発生しやすくなると言えるんです。

光化学スモッグの発生数

光化学スモッグは都市部に集中して発生しています。これは工場地帯が密集していたり、人口が多いために自動車の総数も比例して多くなることに原因があるからです。よって、特に人工が密集している東京都、また風向きによってはその周辺地域で最も光化学スモッグが発生しているようです。

平成29年の発生件数を見てみると、注意報が発令されたのは18都府県、延べ日数は87日となっています。平成28年では16都府県、46日だったので発令日数は倍近くに増加しています。

発生が多いのは埼玉県と千葉県で15日、次いで群馬県の11日となっており東京周辺で多く発生しているようです。月別で見ると、4月1件、5月30件、6月13件、7月29件、8月14件、となっており春から夏にかけて発生していることが分かります。

都道府県別で見ると次のようになっています。関東近郊に住んでいる方は特に注意が必要ですね。

埼玉県、千葉県:15件

群馬県:11件

神奈川県、岡山県:8件

東京都、栃木県:6件

茨城県:5件

福岡県:3件

滋賀県:2件

富山県、山梨県、静岡県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、香川県:1件

光化学スモッグの影響

光化学スモッグ障害という言葉があります。これは光化学スモッグを原因として発生する症状のことです。オゾンなどの光化学オキシダントには殺菌作用がある反面、人体にも悪影響を与えます。影響を受けやすいのが目や喉などの粘膜です。突然、目・喉が痛くなる、涙が出る、せきが出る、といった症状が挙げられます。

流水で目を洗浄する、うがいをする、症状の起こった箇所を洗う、といった対応で治ればよいですが、痛みがひかない場合は迷わず病院に行くようにしましょう。

光化学スモッグの対策

光化学スモッグの影響を受けないためには、光化学オキシダントを浴びないことが重要です。外出を控える、お子さんの外遊びを止めるようにした方がよいでしょう。屋内にいれば屋外にいるよりもはるかに光化学オキシダントの暴露を減らすことができます。もちろん窓を閉めたり、空気清浄機を使ったりするとより効果的です。

また、原因物質となる自動車排ガスを減らすために自動車の利用を控えることも効果があります。光化学スモッグ注意報が発令された場合、近隣の工場では排ガスなどを極力発生させないように稼動を抑える場合もあるようです。工場と住民がお互い協力して光化学スモッグを発生させないように抑制していくことが重要ですね。

意外と知らない光化学スモッグについてまとめました。日頃から注意報が発令されないように無駄遣いしない生活を心がけたいものです。もし症状が現れた場合は、すぐに病院に行くようにし、症状を悪化させないように注意してください。

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