雑学

拝啓・敬具の使い方!初心者にも簡単な使い方紹介します!

仕事で取引先などに手紙やメールを送る機会は結構ありますよね。メールであれば「お世話になっております」と付けておけば一般的には大丈夫な風潮がありますが、かしこまった形式でメールを送らなければならないケースも稀にありませんか?

今回はそんな場合に備え、フォーマルなメールでよく使われる、でも使い方のよくわからない「拝啓」と「敬具」について使い方をまとめてみましたので、ぜひご覧ください。

拝啓・敬具の意味

拝啓は文章の最初に、敬具は文章の最後に入れる文言ですね。これはご存知の方も多いのではないでしょうか?

では、拝啓・敬具の意味もご存知でしょうか?これは知らない方の方が多いかと思います。

拝啓の『「拝」は「お辞儀する」』、『「啓」は「申し上げる」』という意味なんです。つまり、文章の最初に記載することで、「へりくだって(お辞儀して)申し上げます」という意味になります。

続いて「敬具」です。『「敬」は「うやまう」』、『「具」は「申し上げる」』という意味があり、敬具全体では「謹んで申し上げました」という意味になります。

つまり、拝啓と敬具がセットになって使われるのは、始めに「へりくだって申し上げます」と伝えておき、伝えたいことを伝えた後に「謹んで申し上げました」と終わりの挨拶をするためということになります。

時候の挨拶はどうしたらいいの?

拝啓の後にはだいたい、時候の挨拶が続くことが多いですね。その後、相手を気遣うような一言を入れるのが一般的かと思います。

例えば、「拝啓、盛夏の候貴社におかれましては益々ご清栄のことと心よりお慶び申し上げます

といった具合です。

ここで簡単ですが、各季節で使える事項の挨拶をまとめてみましたのでご覧ください。

1月

新春の候、初春の候、厳寒の候、厳冬の候、など

新年を迎えおめでたい意味で迎春といった言葉が良く使われますね。そうは言っても、季節は冬真っ只中!新春と言ったり、はたまた厳冬と言った言葉もよく見受けられます。新年早々であれば新春でもよいですが、中旬以降は厳冬などを使った方が無難でしょう。

挨拶としては「新春とは申しながら、まだまだ寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか」などが使われやすいですね。

2月

厳寒の候、残寒の候、向春の候、梅花の候、など

1月に比べると寒さも和らぎ、寒さが残るや春に向かっているというような表現が現れ始めます。こちらは地域によって、例えば北海道のような北国であればまだまだ厳寒でしょうし、沖縄のような南国であれば暖かかったりするでしょうから、使い分ければよいかと思います。梅のつぼみも場所によっては、まだまだ遠いという地域もあるでしょうから注意した方が無難です。

挨拶としては「梅のつぼみがほころぶ季節となり、春の訪れが待ち遠しく感じられます」など。

3月

早春の候、春分の候、陽春の候、軽暖の候、など

3月になると、まだ寒い地域もありますが、春真っ盛りといった挨拶が目立つようになります。厳しい冬を越えて、暖かい春を迎えたことを喜ぶような挨拶を使用するようにしましょう。

3月の挨拶は「春の風が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか」などが使われます。

4月

陽春の候、春暖の候、桜花の候、春爛漫の候

4月にもなるともう完全に春ですね。特に桜を使うような挨拶が多くなります。「桜花の候、貴社におかれましては益々ご繁栄のこととお慶び申し上げます」というような挨拶が一般的ですね。

5月

残春の候、葉桜の候、若葉の候、緑樹の候、など

5月になると、春(3,4月)を惜しむような言葉や、新緑の季節に向けて緑を彷彿させるような言葉が多くなります。「若葉の候、いつのまにか汗ばむような季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか」といった、夏や暑さを感じさせる挨拶が出始める季節です。

6月

薄暑の候、梅雨の候、初夏の候、向暑の候、など

6月になると、梅雨や夏に向けてだんだん暑くなってきました、というような挨拶が多くなります。挨拶としては梅雨ですが元気に過ごしていますか?や、新緑の季節にかけて会社の繁栄を祈るような挨拶が無難でしょうか。「向暑の候、貴社におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます」などよく用いられます。

7月

梅雨明けの候、盛夏の候、炎暑の候、酷暑の候、など

夏真っ盛りです(笑)炎暑、酷暑など暑苦しい言葉が目立ちます(笑)

暑い日が続きますので、相手の健康を気遣うような挨拶にするといいでしょう。「酷暑の候、連日厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」などですね。

8月

残暑の候、残炎の候、立秋の候、向秋の候、など

8月になると残暑や秋をイメージさせる挨拶が多くなります。こちらも地域によって使い分けるのがベターでしょう。ただ、暑い地域でもあえて秋を思わせるワードを使用することで、涼しげな印象を与えるという方法もあるでしょう。

挨拶としては「納涼の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます」など一般的です。

9月

初秋の候、新涼の候、爽秋の候、涼風の候、など

9月になると涼しげな挨拶が目立つようになります。9月上旬であれば、残暑の候など使用しても良いと思います。挨拶としては「初秋の候、残暑もようやく和らぎましたが、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます」などが使えると思います。

10月

爽秋の候、清秋の候、秋涼の候、夜長の候、など

10月になると9月同様い、秋を前面に出した挨拶が多くなります。秋の夜長の「夜長」も時候の挨拶として、用いられるので、普段とはちょっと雰囲気を出したいときなどは「夜長の候」と始めてみてのよいのではないでしょうか?

11月

晩秋の候、暮秋の候、向寒の候、冷雨の候、など

11月は寒さを強調するような挨拶が出始めます。実際地域によっては雪も降り始める季節ですので、地域に応じて使い分けるようにしてください。「向寒の候、日増しに寒さが厳しくなってまいりましたが、お元気にお過ごしでしょうか」など使うようにしましょう。

12月

初冬の候、初雪の候、師走の候、歳末の候、など

12月は冬や雪をイメージさせるような言葉が多くなります。また、1年の締めくくりとして、師走や歳末なども使われますので、上旬や下旬の時期によって使い分けるようにするとよりベターです。「師走の候、何かと忙しい季節となりましたが、皆様におかれましたはご健勝のことと存じます」といった挨拶が用いられます。

普段なかなか手紙を書く機会も少なくなりつつありますが、メールでも拝啓・敬具をいった挨拶を使うことは多いと思います。正しい使い方を身につけ、取引先にマナーを知らない人だな、というレッテルを貼られることのないようにしていきましょう!

皆さんのお役に立てることを祈願して、挨拶に代えさえていただきます。

敬具

 

PS.冒頭に拝啓と記載していないので、これはマナー違反です(笑)

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