2019年9月、埼玉県で豚コレラ感染のニュースが報道されました。
今まで豚コレラによって殺処分されてしまった豚の数は「13万頭以上」!
この現実を重く捉えた農林水産省は、これ以上豚コレラの被害を出さないためにワクチン接種をできるようにする環境を整えていくよう方針転換したと発表されています。
そもそも豚コレラとはどんな病気なのか?今までワクチンを打ってこなかった理由や、私たち人間に感染するのかどうか、など調べてみましたのでご覧ください!
豚コレラってどんな病気?
農研機構のHPでは豚コレラについて次のように解説されています。
豚コレラ(Classical swine fever)は、豚コレラウイルスの感染による豚といのししの病気です。豚コレラは致死性や伝播性が高く、家畜の法定伝染病に指定されています。そのため、発生した農場においては公的な防疫措置を講じることが定められています。
一度豚コレラにかかってしまうと、発熱などの症状を発症し、おおよそ3~4週間で死に至るということだそうです。残念ながら現在は特効薬は存在せず、発症が確認されると同じ養豚場の豚全てが殺処分されてしまうことになります。
というのも、豚コレラウィルスは感染力が非常に強く、放っておくと広範囲にわたって被害が拡大してしまうからなんです。
2019年に愛知で豚コレラに感染した豚が発見されるという出来事がありました。
この時も、その養豚場の豚だけでなく、その近くの養豚場で育てていた検査で陰性だった豚たちまで殺処分になってしまったんです。
このことからも豚コレラの感染力がどれほど恐れられているかが伝わってきますね?
なぜワクチンを接種しないのか?
豚コレラはワクチンを摂取することで簡単に抑えることができるようになると言います。
そう、ワクチンさえ打ってしまえば「豚コレラ感染で何万頭被害!」なんていうニュースは流れなくなるんです。
それでもなぜワクチンを打たず、たびたび豚コレラ感染の報道がされてしまうのかと言うと、豚肉の輸出に関係がありました。
どういうことかと言うと、豚コレラワクチンを打ってしまうと、安全な豚肉を輸出する「清浄国」から除外されることになり輸出に制限がかかるからなんです。
この豚に豚コレラのワクチンを打つということは、豚コレラのウィルスを体内に入れてしまうことになります。ワクチンとは言え、豚コレラウィルスが体内に入った豚は輸出の対象から外れるケースが出てくる、と言うわけなんです。
よって日本ではワクチン接種をしない方向で豚が育てられてきているんです。
飼育者の中には、以前からワクチン接種をできるようにしてほしいと考える方も当然いらっしゃるので、今後どうなっていくいのかが注目されています。
豚コレラは人に感染する?
気になるのは豚コレラが私たち人間に感染するかどうかですよね?
結論から言って、豚コレラは人間には感染しないようです。
これは人間と豚の細胞の構造が違うためで、豚コレラのウィルスは人間の細胞に付着することができないのだとか。
仮に「近所で豚コレラが発生した!」ということになっても焦ることはなさそうですね?
まとめ
豚コレラの恐ろしさや、何故今までワクチンを打ってこなかったかなど、紹介致しました。
今後、国の方針によりしっかりとワクチンを接種し、殺処分される豚がいなくなることを願うばかりです。
「清浄国」から外れてしまうということに関しても、何らかの対策を講じることができればよいのですが・・・。
今後の動向に注目してきましょう!