用語解説

MSDSって何?GHSや区分の意味は?簡単に解説します!!

会社で化学物質を使っている方はどのくらいいるんでしょうか?

私、実は化学系の大学院を卒業しておりまして・・・。最近会社で使用する化学物質を調べるためにMSDS(化学物質等安全データシート)を見る機会が増えてきています。いざ見てみると、危険有害性の区分外って何?区分1と区分4はどっちが危ないの?などなど、分からないことがいろいろと出てきましたので、今回まとめてみました。

私と同じようにMSDSを見る機会がたまーにあるような人は参考にしてもらえたら幸いです!

それではご覧ください!!

MSDSで分かりづらい項目

まず、私がMSDSを見た際によく分からなかったのは以下の点です。私のように化学を専攻していた人でも、分かりづらいのではないかなと思います。

・GHS分類

・GHS分類の区分について

・感作性

特に分かりづらいのはこのあたりでしょうか。他の項目はなんとなく分かるかなといったところですが、これらは始めよく分かりませんでした。私と同じように感じている方、一緒に見ていきましょう!

GHS分類

まずGHSとは何なのでしょうか?

Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals の略称で「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」という意味があるようです。簡単に言えば、「世界各国で化学物質の危険性についての表示方法を統一しましょう」という取り組みのことですね。

化学物質を扱う人であれば、次のようなマークにも見覚えがあることと思います。

       

炎のマークのものは引火性物質、どくろマークは毒性があるという意味合いですね?このようにパッと見てどの化学物質にどういう危険があるかを分かりやすく示す物がGHSということになります。他にも様々なマークがあるのでぜひ覚えておきましょう!

GHS区分

MSDSを見ていくと、GHS分類の欄にGHS区分1とか区分1A、区分4など様々な分類が表れます。その試薬の危険性を表しているんだろうなとは分かっても、数字が大きい方が危ないのか、はたまた小さい方が危ないのか、いまいちわかりませんよね?しかもAやBが付くものは何を意味しているのか・・・?まとめてみましたのでご覧ください!

区分1~5

結論から言うと、数字の小さい区分1が最も危険と言うことになります!区分は1~5までありますが、1が最も危険で、5は比較的安全という捉え方でOKです。それ以外にも「区分外」(区分5より安全性が高いや、「分類できない」(データが少なく不明)といったもの、「分類対象外」(その危険性とは無関係)などがあります。「区分外」や「分類対象外」の違いはよく分かりませんが、危険はないという認識で問題ないでしょう!注意しなければならないのは、「分類できない」ですね。おそらくは、過去に有害であったというデータがないために、その危険性が不明と言うことになっているのだとは思いますが、その製品が比較的新しい場合は単純に、「実は危ないけれどデータ不足のため不明」という可能性も捨て切れません。新しい製品を使う場合は特に注意して取り扱った方が良いでしょう!

また、区分1~5についてですが、具体的な数値としてLD50 が用いられています。LD50とはLethal Dose,50%、半数致死率を指します。つまり、その化学物質を一定量摂取した場合に50%の人が死亡してしまう化学物質の量のことです。

区分1~4に該当するLD50は次に示すとおりです。LD50 が 5mg/kgの場合とは、体重1kgに対して5mg摂取すると半数が死亡してしまうという意味です。体重60kgの人であれば、60kg×5mg/kg で300mgがLD50といった具合になります。

LD50基準値

区分1・・・5mg/kg 以下
区分2・・・50mg/kg 以下
区分3・・・300mg/kg 以下
区分4・・・2000mg/kg 以下
区分5・・・5000mg/kg 以下

経口摂取の場合はLD50が適用されますが、気体などの場合はLC50Lethal Dose Concentration,50%(半数致死濃)が用いられるようなので覚えておくようにしましょう。

区分1A,1B

区分1の後にAやBといったアルファベットが記載されている場合があります。こちらは細区分と呼ばれます。この細区分は、危険な分類である区分1につくことが多いです。

意味合いとして、発がん性を例に説明します。

まず発がん性区分1の説明は「ヒトに対する発がん性が知られている、あるいは、おそらく発がん性がある」となっています。これを細かく分類すると、区分1Aが「ヒトに対する発がん性が知られている」で、これに対し区分1Bは「ヒトに対しておそらく発がん性がある」となり、区分1Aの方が毒性が強いということがわかりますね?

ちなみにこれが区分2になると「ヒトに対する発がん性が疑われる」となり徐々に危険性が弱まっていくことが分かります。

感作性

おそらく一般的な言葉なのでしょう。私は聞いたことがありませんでしたが・・・。

簡単に言うとアレルギーのことです。ある物質に対して敏感に反応してしまう状態のことを感作性があると言います。

どちらかと言うと、一般的なアレルギーよりもアナフィラキシーショックに近いような感覚です。つまりは命に関わるような非常に危険な項目とういことです。MSDSを見る際にはしっかりと気をつけたいものです。

MSDSのよく分からない語句について説明させていただきました。

まだまだよく分からない箇所がある!と言う方もいらっしゃると思います。私ももっと勉強して、機会があればまたご紹介できればと思います。

一緒にしっかりと勉強していければよいですね!お互い頑張っていきましょう!!

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