環境問題

酸性雨ってどういう影響があるの?初心者にも分かりやすく解説するよ!

現代社会においては、産業が急速に発展したことにより様々な環境問題が発生しています。

身近なところで言えば、大気汚染が影響で起こる酸性雨や、都市部では光化学オキシダント(光化学スモッグ)がよくテレビなどでは取り沙汰されていますね?でもその酸性雨や光化学スモッグはどうして起こるんでしょうか?

話題には上がるけどいまいちよく分からない大気汚染、今回は特に酸性雨の影響、その原因について簡単に解説致します!是非ご覧ください!

酸性雨とは

その字のごとく酸性の雨が降ることです。酸性と言うとpH(ペーハー、ピーエイチ)が7以下のことを指しますが、酸性雨の定義はpH5.6以下とされています。

読者さん
読者さん
pH5.6って言われても・・・。どのくらい酸性なの?

例として身近な物のpHを挙げてみますね。

pH1:胃酸

pH2:レモン、梅干

pH3:食用酢、リンゴ

pH4:ヨーグルト、果汁ジュース

pH5:バナナ、肉、人間の肌(個人差あり、おおよそ4.5~6.5)

pH6:魚、ミネラルウォーター

pH7:水道水、唾液

読者さん
読者さん
pH5.6だと人間の肌と同じくらいだし別に問題ないじゃん♪

そう思われるのは間違いです!あくまでもpH5.6以下、低いところではpH3.5といった地域もあるんです。空から食用酢が降ってくる、そう考えるとものすごく危険だと思いませんか?

酸性雨の原因物質

酸性雨の原因物質は一度は効いたことがあると思いますが、硫黄酸化物(SOx、ソックス)や窒素酸化物(NOx、ノックス)と呼ばれる物質です。聞いたことはあるけれどよく分からない・・・と言う方も多いでしょう。

分かりやすく説明します。皆さん、硫酸や硝酸、塩酸と言った酸は学校で聞いたことがあると思います。鋭い方はお気づきと思いますが、硫酸と硫黄酸化物は名前が似ていますね?実はこの二つには関係性があるんです。

硫黄は化学式で表すとSです。酸化物は酸素、つまりOと結合した物になりますが、硫黄酸化物には二酸化硫黄(SO2、二つの酸素とくっついた硫黄)や三酸化硫黄(SO3、三つの酸素とくっついた硫黄)などがあります。これらが大気中で水:H2Oと反応すると次のように物質を生成します。

SO2 + H2O =H2SO3 (亜硫酸)

SO3 + H2O =H2SO4 (硫酸)

このように硫黄酸化物が空気中の水分と反応することで、皆さんご存知の硫酸や、硫酸に近い性質を持つ亜硫酸といった物質が生成することになります。これが酸性雨の原因物質となっているわけですね。

これと同様に窒素酸化物である二酸化窒素:NO2も、水:H2Oと反応し、酸性雨の原因である硝酸:HNO3となり、雨を酸性にしている、というわけです。

これらは自動車排ガスや工場の排気ガスから主に発生しています。近年、これらの除去技術は飛躍的に向上しています。ですが、まだ完璧とはいえない状況です。さらなる発展が期待されます。

酸性雨の影響

ではそんな酸性雨ですが、人体や地球にどういった影響があるか見ていきましょう。

人体への影響

人間の肌は弱酸性です。なので直接酸性雨を浴びたからと言って、すぐに大きな影響が出るということは少ないと言えます。ただし目や喉などの粘膜に刺激を感じることがあるので、注意が必要です。特に皮膚が弱い人は痛みを感じやすいので、すぐに洗い流すようにしてください。

直接的な刺激よりも、酸性雨が金属などを溶かし、それが川などを通り飲料水に混入することの方が重大な問題となります。銅や亜鉛など人体にはある程度の金属成分を必要としています。しかし金属が混入した水を飲むことで、それが過剰になると人体には様々な不具合は生じてしまいます。

有名なところでは4大公害病がありますね?カドミウムによるイタイイタイ病や水銀による水俣病など、過去には大きな公害が発生しています。そこまでひどいことにならなくても、何かしらの症状が出てもおかしくはないのです。

地球への影響

酸性雨と言うと、いまいちピンとこないかも知れませんが実は生態系に多大な影響を及ぼします。ほとんどの生物が死滅してしまうといっても過言ではありません。具体的に見ていきましょう。

砂漠化

酸性雨が降ることで土壌が酸性となります。そうなると、土壌が蓄えている栄養分が溶け出し流出してしまいます。栄養が少なくなったいわゆる痩せた土地では植物が成長しづらく作物も採れなくなります。酸性化することで森林も枯れて砂漠地帯が増えることになります。

野生生物の死滅

森林がなくなることで森林に住む野生動物が生きていけなくなります。虫や鳥、獣の全てが食料不足により激減することが予想されます。

水生生物の死滅

魚などが生活する湖沼や海が酸性になると水生生物は生きていけません。酸性でも生きていけるプランクトンなどが大量に発生することで、水域での酸素不足が発生し、ほとんどの水生生物が生きていけなくなることが予想されます。

建造物の腐食

コンクリートや岩石などはアルカリ性の物が多いです。石灰なんかもアルカリ性ですね?そういったものは酸性雨により少しずつ溶け出していきます。酸性雨により、歴史的な建造物や道路などが侵食されていきます。そういった成分は溶け出し、川や地下水に流出し飲料水に溶け出すことになるのです。

酸性雨と言うとイメージとしては、温暖化などに比べると影響が少ないような気がしがちです。ですが、酸性雨が深刻化すると地球上の生命全てが危険にさらされることになるんです。

不必要に自動車に乗らず、電車やバスなどの公共交通機関を利用すると排ガス量を削減づることができますね。小さな効果でも一人ひとりが意識することで、状況を改善することができるので酸性雨について意識を向けてもらえると幸いです。

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